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メンタルヘルス対策 Vol.5 – 「中小企業におけるメンタルヘルス対策とリスクマネジメント」

2014年7月22日

皆さんは、中小企業におけるメンタルヘルス対策をどうお考えですか。

 

 

メンタルヘルス対策は中小企業には無縁…

→ 中小企業にも必要性大

 

メンタルヘルス不全者が発生するまで何もしない…

→ 労働安全衛生法の強化により、企業に安全配慮義務が明確化

 

メンタルヘルス不全者が出たら速やかに退職してもらう…(回復を待つ経済的余裕はない)

→ 労使トラブルは、生産性や従業員のモチベーションなど、当事者以外の従業員にも強い影響力がある

 

一人の不全者のために、他の従業員を路頭に迷わすわけには行かない…

→ ひとたび労使トラブルが発生すると、本業への影響は多大なものになる

 

 

なぜ、メンタルヘルス対策が重要なのか?

職場において従業員にメンタル疾患が発生してしまった場合、様々な事象が起こる可能性があります。

その影響は職場や企業に対して様々な形で及ぼされ、その結果職場のモラル低下、または企業の生産性悪化を招く危険性があります。

 

個人の抱える問題を解決することにより、会社の収益向上を図り、企業価値を高めることを目的とした「EAP」というプログラムが注目されています。

 EAP(Employee Assistance Program)=【従業員支援プログラム】

《国際EAP協会の定義》

1. 職場組織が生産性に関連する問題を提議する

2. 社員であるクライアントが健康、結婚、家族、家計、アルコール、ドラッグ、法律、情緒、ストレスなどの仕事上のパフォーマンスに影響を与えうる個人的問題を見つけ、解決する

 

米国では、フォーチュントップ500の90%の企業がこのEAPを導入し、EAP会社の数も12,000社を上回るとされています。

企業にとってはコスト削減に役立ち、従業員も外部なら相談しやすいというメリットがあります。

また、職場のメンタルヘルスの基本である(治療よりも)予防に力を入れ、従業員が働きやすい職場をつくることで生産性を上げようとするものです。

 

単なる福利厚生制度ではなく、会社の収益向上・生産性の維持向上のためのリスクマネジメントのひとつとして、日本でも大企業から導入が進んでいます。

しかしながら、一度にその目的を果たしうるフル装備のEAP導入コストや人的資源の面から難しい一面もあります。

 

 

リスクマネジメントの重要性

メンタルヘルス対策など、未然に防ぐための対策をとっていたとしても、従業員の入院・死亡事故は起こってしまいます。

 

もし労災事故が起こってしまったら…

 

労災事故が起こった場合、事業者に賠償責任が生じます。

ではなぜ、このような責任を事業者は負う必要があるのでしょうか?

それは、事業者に以下の責任・義務が課されているからです。

 

① 災害補償責任

労働基準法8章「災害補償」(無過失責任)→ 労災保険

 

②安全配慮義務

労働契約法第5条で明文化

 

 

業務上の死亡について

「労働災害」というと工事や工事現場でのケガなどを想像してしまいがちですが、自殺や過労死などが労災として認定されるケースがあります。

また、その死亡原因のほとんどは病気によるものです。

 

死亡原因のうち、病気・自殺による死亡: 約87.1%(20~59歳の死亡原因)

 

病気死亡の場合、業務上・業務外の境界線が曖昧ですが、安全配慮義務を果たす上で事故への配慮だけでは不十分と言えます。

 

 

業務上の入院について

 では、業務上の入院はどのような現状でしょうか。

精神障害の死亡以外の労災申請は増加しており、脳・心臓疾患などでも高い水準で推移しています。

しかしながら、認定率には死亡時と大きな差があります。

業務上の入院による労災申請には色々な問題点があるようです。

 

精神障害の自殺(未遂を含む)以外での労災請求件数…1,070件

脳・心臓疾患の死亡以外での労災請求件数…596件

 

精神障害の労災認定… 自殺(未遂を含む):37.5%  /  自殺(未遂を含む)以外:約28.8%

脳・心臓疾患の労災認定率… 死亡:約48.8%  /  死亡以外:約40.2%

 

厚生労働省:【平成23年度「脳・心臓疾患と精神障害の労災保障状況」まとめ】より

 

 

《精神障害、脳・心臓障害による入院の労災申請の問題点》

就業中のケガでの入院ではないため、当初から労災保険を適用する事は難しく、従業員は健康保険を使って治療費を払う必要があります。

 

・労災保険であれば全額保険でカバーされるが、健康保険の場合、30%は自己負担となってしまう

・労災認定される割合は低く、自己負担で終わってしまうケースのほうが多い

・保険給付については、労災保険では給付基礎日額の80%(休業特別支給金を含む)、健保では標準報酬日額の3分の2相当しか出ない

・労災申請には会社の協力が必要だが、会社は消極姿勢を示すことが多い

・自殺や自殺未遂は健康保険では支払い対象外

 

上記の現状から、従業員は仕事に起因して発病したと思っても、労災申請しないケース、また申請しても認定されないケースが多いと考えられます。

平成23年の入院原因では、約89.2%が病気であり、その対応が不十分であれば、会社の不満となっていく可能性があります。

 

不十分な会社の対応、医療費の自己負担など  →  会社への不満  →  仕事に対するモチベーションの低下、生産性の悪化へと連鎖していく危険性

 

死亡だけでなく、入院の治療費もサポートする保障が、会社と従業員を守るリスクマネジメントとして必要と言えます。

 

 

従業員のモチベーションや会社の生産性のためにも、メンタルヘルス対策やリスクマネジメントの重要性がいかに必要なのかがお分かりになったかと思います。

また、万が一の労働災害にも万全の対策をとる必要がありますね。

 

この機会に、メンタルヘルス対策やリスクマネジメントの導入を検討されるなら、当社までお気軽にご相談ください。


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