メンタルヘルス対策 Vol.1 – 「職場環境における「メンタルヘルス」の現状」
2014年4月7日
近年、日本国内における労働環境の悪化や企業の成果主義化などにより、労働者の取り巻く環境は日々深刻化しています。
その為、職場における労働者のストレスや心の病は年々増加しており、もはや職場内の問題に留まらず、社会問題として取り上げられつつあります。
Topicsでは「メンタルヘルス」と題して、この問題をシリーズ化して皆様にお届けして参ります。
政府は、メンタルヘルス対策の取り組みとして「メンタルヘルスに関する措置を受けられる職場の割合」を、2020年までに100%にするという方針が打ち出しました。
企業側としては、職場のメンタルヘルス対策を本格的に考えなければならない局面を迎えることとなります。
企業がメンタルヘルス対策を推進する上で基礎となることとして、厚生労働省は2006年に以下の様な指針を公表しています。
「事業場が計画的にメンタルヘルス対策を行うことや、専門家と強協力・連携しながら従業員・管理監督者・人事労務管理者がそれぞれの役割を果たすことが重要である。」
つまり、それぞれの関係者がメンタルヘルス対策についての専門的知識を必要とし、また必要に応じて実践できることが求められるということになります。
「メンタルヘルス」第1回目として、まずはメンタルヘルスの現状について簡単にまとめてみました。
職場環境における「メンタルヘルス」の現状
先述しました通り、日本の職場における労働者のストレスや心の問題は深刻化しています。
労働者が心の病にかかると、集中力の低下などにより仕事としての作業効率も低下します。
また、症状が重くなればなるほど、長期にわたる休業が必要になり周囲の負担が増えるなど様々な影響が及びます。
特に、中小の企業などでは、まだまだメンタルヘルス対策に対する認識が低く、労働者への心のケアが十分になさえていないのが現実です。
職場環境における、メンタルヘルス対策とは、個人個人の問題ではなく、職場全体として取り組む必要があると言えます。
更に言えば、メンタルヘルス対策を効率的かつ積極的に行うことで、労働者のモチベーションアップや業務の効率化につながることも理解する必要があります。
近年では、労働者の心の健康問題に関する民事訴訟が起こったり、労災認定されるケースも増えています。
こうした企業のリスクマネジメントといった観点からも、職場におけるメンタルヘルス対策を講じる必要性があると言えるでしょう。
まずは、経営者や管理監督者の方々が、メンタルヘルス対策について理解を深めた上で、職場環境の改善に向けた取り組みを推進する事が必要でしょう。
仕事や職場生活に関する強い不安、悩み、ストレスの原因
女性では「職場の人間関係の問題」、男性では「仕事の質の問題」続いて「職場の人間関係の問題」が原因の多くを占めています。
男女共通して言えることは、やはり「職場の人間関係」が問題となっているケースが多いようです。
「勤労者心の電話相談」を実施している労災病院によると、職場についての相談内容の多くは「上司との人間関係」や「同僚との人間関係」が大半を占めるようです。
その結果、「不眠」、「集中力の低下」や「疲れやすい」などといった体調不良に至るケースも少なくありません。
会社を守るためにも、従業員を守るためにも、メンタルヘルス対策は重要ですね。